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もしかしたらもらえないかも?転職する前に知っておきたい退職金の仕組みについて

 

皆さん、こんにちは。
皆さんは退職金について、どんなイメージを持っていますか?

定年退職した方がもらえる労い金や祝い金」というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか?
しかし、実は定年退職ではなくとも、転職を目的として会社を退職する時に退職金がもらえるケースはあるのです。

今回、こちらの記事ではそもそも退職金の仕組みとはどうなっているのか、どうすれば退職金がもらえるのかという疑問から、定年退職と転職とではいくらくらい退職金がもらえるのかまでご紹介したいと思います。

定年退職を控えている方や、転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。


 

 

退職金の仕組みについて

それでは早速、退職金の仕組みについてご紹介したいと思います。
退職金は大きく分けて、3つの種類が挙げられます。
 

代表的な退職金は「退職一時金制度」

まずは退職一時金制度。こちらは多くの方がイメージとして抱いている、退職金の制度と考えて間違いはないでしょう。

勤めている企業を退職する際に、給与や賞与とは別にお金を受け取れる制度です。

勤続年数が長ければ長いほど受け取れる金額に違いが生まれますし、企業によってはそもそも受け取れないこともありますが、退職金制度を用いている企業の多くはこちらの方法を採用しているのではないでしょうか。
 

併用されることもある「企業年金制度」

次に退職一時金制度と併用して使われることもある、企業年金制度があります。

こちらは退職後に一定の期間、もしくは生涯に渡って退職金を年金として受け取れる制度です。

退職一時金としてまとまったお金を受け取り、残りのお金を年金として渡す企業もあることから、退職一時金制度と併用されることがありますが、受け取れる総額が少なくなるようなことはありません。

 

前払いでもらえることもある

そしてもう1つの制度が前払い制度です。
あまり退職金が前払いされるイメージを持っている方は多くないと思いますが、前月の給与や賞与と一緒に、退職金を支払う企業も存在します。

こちらも勤続年数や会社の規定によって金額が異なるだけで、他の制度と比較して金額が少なくなってしまったり、逆に多くなることはないと言えるでしょう。

自身で選べることは恐らくないと思いますので、会社の規定をよく見てどの制度が採用されているのか、転職前に確認してみてはいかがでしょうか?


 

退職金はどうすればもらえる?

さて、冒頭でもお伝えいたしましたように、退職金は転職を目的として退職しても、条件を満たしていれば企業から受け取ることが可能です。

逆を言えば、仮に勤続40年で定年退職を迎えたとしても、退職金を受け取ることができないケースも考えられます。
それでは退職金はどうすれば受け取れるでしょうか?
 

そもそも会社は退職金を支払わなくても良い

ここで1つ重要になるのが、会社は退職金を支払わなくてはいけないわけではないという点です。
法律ですべての社員に対して、退職金を支払う義務があると定められているわけではありませんし、当然そうなると退職金制度がなくても違法行為とはなりません。

つまり、あくまで会社の善意で退職金は存在することになりますし、支払わない企業が悪いと言うわけでも、経営難に陥っているわけでもないのです。

勤めている会社から退職金が支払われないことを理由に、転職を検討する方もいらっしゃるとは思いますが、悪質な会社だと勘違いしてしまう方もいらっしゃいますので注意が必要です。

 

就業規則を確認しよう

企業の退職金制度が義務ではないのなら、当然ではありますが支払う退職金の金額も、在籍している社員が退職金を受け取れる条件も、会社によって異なることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

退職金の相場は勤続年数によってある程度知ることができますが、退職金を受け取るための条件は会社によって大きく違いますので、自分が転職のために退職する場合、条件をクリアしているかどうか、就業規則を確認してみてください。

就業規則の中に退職金制度について触れる記載があった場合、受け取るための条件も同様に記載されていると思います。

一例ではありますが、「勤続3年以上で所定の退職金を給付」のように書かれていれば転職を目的としていても、3年以上勤めていた場合退職時に退職金は受け取れるでしょう。

対照的に、まったく記載がなかったり退職金なしと書かれていた場合には退職金は受け取れませんので、できることなら入社前の段階で退職金制度のある企業かどうか、調べておいたほうが良いと思います。
 

 

退職金はいくらもらえるの?

それでは具体的に、退職金を導入している企業を退職した場合、どれくらいの金額を手にできるのでしょうか。

勤続年数や定年退職、自己都合退職や会社都合退職など様々な退職理由が考えられますので、厚生労働省が公表している「就労条件総合調査結果の概況」を元にご紹介いたします。

大学卒がもっとも多い

勤続年数20年以上で退職金を受け取る場合、退職金の平均金額がもっとも高くなるのは大学を卒業後すぐに企業に入社した方になります。

  大学卒 高校卒 高校卒(現業職)
定年退職 1941万 1673万 1128万
会社都合退職 1807万 1573万円 1004万円
自己都合退職 1586万円 1159万円     784万円


定年退職で1941万円、会社都合の退職で1807万円、自己都合退職で1586万円となり、高校卒業後に入社した方と比較すると100万円単位の差が生まれるのです。

高校卒業後の方は定年退職で1673万円、会社都合の退職で1573万円、自己都合退職で1159万円が平均金額となりますので、学歴の重要さが垣間見える数値と言えるでしょう。

また、上記の退職金は管理職や事務、技術職に従事する方が受け取れる退職金です。

生産や販売、サービス業などに従事している、いわゆる現業職の方で最終学歴が高校卒業の方だとさらに退職金が低くなり、自己都合退職の場合は平均金額が1000万円を下回ります

社会人になってから学歴を高くすることは不可能ではありませんが、しっかりと高校卒業から大学卒業までの過程を経て来た方のほうが、優遇されるのは間違いありません。
 

 

じゃあ勤続年数が短いといくらになる?

続いて勤続年数が短い場合に受け取れる退職金の平均金額ですが、転職活動をしている方からすればこちらのほうが重要だと言えるのではないでしょうか。

参照する情報は厚生労働省ではなく東京都産業労働局のものとなりますが、勤続年数に沿った退職金のモデル金額が掲載されています。
その情報によるともっとも退職金水準が高いのは、こちらでも最終学歴が大学卒業の方でした。
 

  大学卒 高専・専門卒 高校卒
勤続年数1年 8万7000円 6万8000円 6万5000円
勤続年数3年 23万6000円 18万3000円 16万3000円
勤続年数5年 44万円 35万9000円 32万1000円


仮に高校卒業後に入社して、5年勤務して転職したいと考えた場合でも32万円前後退職金が受け取れると考えれば、転職活動中の生活費用は賄えると思いますが、あくまでモデル退職金であり平均値であることを覚えておいてください。

 

退職金が出る企業はどれくらいある?

続いて、退職金制度を採用している企業がどれくらいあるのかについても触れておきます。

一般的に、大手企業になればなるほど退職金制度は採用されていて、中小企業やベンチャーになると退職金が少なかったり、一切なかったりするイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

結論といたしましては、その認識は間違ってはいません。

社員数1000人以上の企業では93.6%の割合で支給されている
大手企業ともなると社員数もかなり多くなりますが、社員数が1000人を超えている企業の場合、実に93.6%の企業が退職金制度を取り入れています。

こちらは厚生労働省が公表している「就労条件総合調査結果の概要」から確認できますが、平成25年度の調査結果が最新の情報です。

こちらの記事を執筆している今現在は多少年月が経過してしまっていますが、そう大きく割合に変動はないのではないでしょうか。
 

企業規模が小さくなるほど割合が低くなる

そして企業規模による退職金制度導入の割合に関してですが、規模が小さくなればなるほど割合は少しずつ低くなってしまいます。
300人~999人の企業は89.4%、100人~299人の企業は82.0%、30人~99人の企業で72.0%と、顕著にその傾向が見受けられるでしょう。

30人未満の企業に対する情報はありませんでしたが、それほどまでに小さい企業ともなると退職金制度が導入されている企業は半数を切るのではないでしょうか。

私が過去に勤めたことのある企業は正社員が数名しかおらず、アルバイトを雇って営業を行う飲食店でしたが、当然のように退職金制度はありませんでした。

転職先を見つける上で従業員数はあまり参考にならないイメージがありますが、従業員が多いほど退職金制度を導入している企業が多いという点は覚えておいたほうが良さそうです。

 

業種トップと最下位も大きな差がある

また、企業規模ではなく業種別で考えても退職金を支払う割合に大きな違いが見受けられます。

退職金を支払う割合がもっとも高い業種は電気・ガス・熱供給・水道業で、96.3%もの企業が退職金制度を導入していますが、対照的に医療・福祉は50.1%しか導入されていません。

その他にも宿泊・飲食サービス業が52.6%で低い傾向にありますが、業種別で見ても全体的に80%~90%前後の企業が退職金を導入している中、人手不足や離職率が目立つ業種ほど退職金制度が導入されていないように感じられます。

ともあれ、業種トップと最下位の割合を比較すると、40%以上もの開きがありますので、傾向として留意しておいてはいかがでしょうか?
 

 

会社の方針にも左右される

退職金の平均金額はご理解いただけたかと思いますが、あくまで平均値であるという認識が必要な理由として、退職金の定め方が企業によって異なる背景が挙げられます。

ひと昔前の傾向から考えると、退職金の決め方は完全に勤続年数や年齢に大きく左右されていました。

しかし、最近では成果報酬型を取り入れたり、ポイント制度を導入して退職するまでの間にどれだけ企業に貢献したかで退職金を決める企業が増えています。

営業職で20年以上会社内売上トップを走り続けていたという方が、成果報酬型で退職金が決まる企業を退職した場合、平均値よりも圧倒的に高い金額を受け取れる可能性もありますし、逆もまた然りです。

この退職金の定め方に関しても、成果報酬型やポイント制を導入している企業の場合、一般的な定め方と異なることから就業規則などに記載されているケースが多くなりますので、自分の勤めている企業が該当するかどうか調べてみると良いでしょう。

 

 

退職金って税金かからないよね?

さて、退職金も企業から受け取る金額である以上、税金がかかるのか気になる方も多いのではないでしょうか?
大前提となりますが、賞与でも所得税が引かれることからも分かるように、労い金や祝い金のイメージがある退職金でも収入に変わりありませんので、所得税が発生します。

「税金が引かれる」と聞くと多額のお金が引かれてしまい、結局退職金も手元にあまり残らないのではないかと不安に感じる方も多いと思いますが、退職金には「退職所得控除」という制度が存在します。
 

会社に退職所得控除を申請しよう!

退職所得控除は国税庁が定めた、課税により退職金が過剰に少なくならないように配慮された制度と言えます。
控除される金額ですが、勤続20年以下の方は40万円×勤続年数。

勤続20年を超える方は800万円+70万円×(勤続年数-20年)となります。

20年ちょうど勤務した方なら、800万円の控除が受けられるのです。

さらに、退職金から上記計算方法で算出された控除額を引いた金額の、半額が課税対象として考えられます。

注意点として、退職所得控除を申請し忘れてしまった場合、控除は受けられず退職金の全てが課税対象となってしまいますので忘れずに申請しましょう。

結局いくらになるのか分からない方のために

計算方法や控除の内容をご紹介いたしましたが、結局いくらになるのか計算するのが面倒な方のために、具体例を2つご紹介いたします。
勤続年数が20年以下のケースと20年を超えるケースとでお伝えいたしますので、自身の勤続年数と併せて考えてみてください。

まず勤続年数が20年ちょうどと仮定して、退職金が1000万円もらえた場合。

計算方法は40万円×勤続年数でしたので、控除額は40×20=800万円です。

更に、退職金1000万円から800万円を引いて、残った金額の半額が課税対象となりますので、200万円-100万円で課税対象は100万円となります。

手取り額の計算方法は少しややこしくなりますが、国税庁が公表している「退職所得の源泉徴収額速算表」を元に算出すると以下のように計算できるでしょう。

【1】100万円×税率5%×復興特別所得税102.1%=5万1050円

加えて住民税も引かれますので、【2】100万円×住民税率10%=10万円

つまり、退職金の手取り金額は1000万円-【1】5万1050円-【2】10万円=984万8950円です。

続いて勤続年数が20年を超える方の場合。

仮に25年働いて退職金が6000万円だったとします。

勤続年数が20年超の計算方法は800万円+70万円×(勤続年数-20年)でしたので、当てはめると800万円+70万円×(25年-20年)となり、控除額は4350万円です。

6000万円から4350万円を引き、残った1650万円の半額が課税対象となりますので、課税対象額は825万円です。

課税対象の金額が大きくなることから源泉徴収額にも当然違いが生まれます。

【1】(825万円×税率23%-控除額63万6000円)×復興特別所得税102.1%=128万7991円

住民税が【2】825万円×住民税率10%=82万5000円

退職金の手取り金額は6000万円-【1】128万7991円-【2】82万5000円=5788万7009円となります。

退職金額に応じて国税庁が源泉徴収額の計算方法を公表していますので、自身の退職金をより早く計算したいという方はこちらの記事と併せて参考にしてみてください。

 

退職金を受け取って確定申告をしなければいけないケース

それでは最後に、退職金を受け取って確定申告をしなければいけないケースをご紹介いたします。

前述致しました「退職所得控除」を会社に申請していれば、源泉徴収を企業が行ってくれますので、自分で確定申告をする必要はありません。

対照的に、退職所得控除の申請を忘れてしまった場合、退職金から一律で20.42%の所得税及び復興特別所得税が引かれることになりますので、自分で確定申告を行い精算する必要があるでしょう。

その他にも、退職後に事業を展開して赤字が発生した場合には事業損益と通算できますし、死亡による退職金をご家族の方などが受け取った場合には、相続税が発生することになります。

退職金を受け取った後に自身で確定申告しなくてはいけないケースは上記3通りが代表的な例と言えますので、当てはまるかたは期間内に税務署に行き申請を行いましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?
退職金の仕組みから具体的にいくら受け取れるのか、所得税とも絡めてお伝えいたしましたが、基本的に企業が導入していれば、定年退職でも自己都合退職でも退職金は受け取れます。

転職を考えている方でも転職活動の資金として計算できると思いますので、まずは勤めている企業の就業規則を確認してみてください。

今現在勤めている企業に退職金制度がないことから転職を考えているという方も多くいらっしゃると思いますが、もし転職先で定年まで働き続けるつもりなら、転職するのは早いに越したことはありません。

勤続年数が長ければ長いほど、会社に貢献すればするほど退職金額は高くなりますので、人生における1つの目標にしてみてはいかがでしょうか?
将来的に納得のいく転職ができることを祈っています。